読者は、群馬県のソウルフード「焼きまんじゅう」をご存じだろうか。小麦をふかしたまんじゅうを串に刺し、甘いみそダレを塗って焼き上げたもので、県民から長年親しまれる郷土食だ。
インターネット上ではいま、その焼きまんじゅうをめぐり激論が交わされている。争点は、餡(あん)は「あり」か、それとも「なし」か――。
通常入っていないが、最近は「餡アリ」が台頭
群馬・伊勢崎神社では、新春恒例行事として巨大まんじゅうを焼く「上州焼き饅祭」があったり、群馬県観光物産課が「焼きまんじゅうガイドブック」を作成したり......と、県内での「寵愛」ぶりが並々ならない焼きまんじゅう。
地元には専門店が多数あり、縁日などの屋台でも定番の商品だ。通常、中に餡は入っていないが「最近では味の種類が増え、餡入りの焼きまんじゅうなども見受けられます」(レシピサイト「家庭で味わう郷土料理百選」より)
群馬県民の間で論争が起きたのは、ツイッターのまとめサイト「togetter」。2018年6月26日、
「群馬県民の焼きまんじゅう餡なし派と餡あり派の仁義なき戦い」
とのまとめが出来たためだ。
両者にはいつか、分かりあえる時が来るのだろうか
まとめの中身はこうだ。とあるツイッターユーザーが「あんこの無い焼きまんじゅうは邪道だ」と投稿すると、賛否分かれての議論に発展。
「あんなし原理主義者だったけどあん有り食べてからこれはこれでうまいなってなった」
「甘いけど中パサつかないから好き」
と賛同意見もあれば、
「餡入りはカルフォルニアロールみたいなもんで、sushiと呼ばれても故郷のそれではないのだ...」
「タレだけで十分に甘いので餡なし派。両親はいつの間にか餡もいいよね派に転向してて帰省のおりに勧められて食べてみたけど、やはり甘すぎた」
と反対意見も。
あまりの白熱ぶりに、
「どっちも美味しいよっ だから、喧嘩すんなっ」
と諌める声が上がるほどだ。
なお、こうした議論は群馬県民にとって"日常茶飯事"のようだ。事典サイト「ニコニコ大百科」にはこう書いてある。
「焼きまんじゅうのタレはそのままでも美味しいだけにその味を楽しもうとするあんこ無し派。 焼きまんじゅうのタレとあんこの味のハーモニーを楽しもうとするあんこ入り派(中略)この対立はきのこたけのこ戦争のように激しくぶつかり合うことは少ない。ただ、お互いに譲る気配は微塵も無い」