「おおさこぉー、はんぱないーって あいつぅー、はんぱないーって」
歌い出しから響き渡る美声。今、全国的に流行語となっている「大迫半端ないって」を、男声合唱団が見事に歌い上げているではないか。この動画がインターネット上に公開されると、再生回数は150万回を超えた。J-CASTトレンドは、歌い手である東京都内の男声合唱団「ベローム (Bel Homme)」を直撃取材した。
見事なハモリと歌唱力、作曲は4~5時間だった
サッカーワールドカップ・ロシア大会で快進撃を続ける日本代表。中でも大迫勇也選手は、6月19日のコロンビア戦でゴールを決め、ヒーローとなった。そこで注目されたのが、「大迫半端ないって」というフレーズ。これは2009年1月、第87回全国高等学校サッカー選手権大会準々決勝で、大迫選手と対戦した滝川第二高校主将の中西隆裕さんが、試合後のロッカールームで言い放ったセリフだ。大迫選手のずば抜けたプレーに、称賛とも半ば諦めともとれる調子で「大迫半端ないって、アイツ半端ないって」と絶叫する様は、ネット上で拡散し話題となった
「ベローム」の曲名はズバリ、「大迫半端ないって」。作曲はベローム団員の片岡大二郎さん。作詞は「滝川第二高校サッカー部中西キャプテン他」となっている。「大迫半端ないって」の歌い出しから、ツイッターで人気のフレーズ「新聞や~全部新聞や~」、さらに栫裕保(かこいひろやす)前監督のセリフ「あれは凄かった~ (るるる~) 俺握手してもらったぞ~」まですべて盛り込み、「本気で歌ってみた」との言葉どおり見事なハモリと歌唱力で歌い上げている。謎の中毒性があり、いつまでも聴いていられそうだ。
「ベローム」団長の石橋遼太郎さんはJ-CASTトレンドの取材に、「大迫半端ないって」の作曲時間がおおよそ4~5時間だったと明かした。完成後、約2時間の練習で録画は「ぶっつけ本番」で挑んだという。曲の制作背景について、石橋さんは、
「近年の合唱界隈では、流行りネタを歌詞にするのが流行っています。『べローム』は元々それには乗っかっていなかったのですが、作曲できる団員もいるし、今回は流行りに乗って遊んでみようかなということで制作しました。メンバーにサッカー好きがいたというわけではないですね」
と説明した。
「イケメン合唱団」に込められた思い
「ベローム」は指揮者1人、歌い手10人で構成される男声合唱団。メンバーは現役学生や社会人だが、音楽大学等の出身者はいない。通称「イケメン合唱団」とも呼ばれているが、その理由を聞くと、
「2013年に結成したのですが、ただの合唱団ですと言っても目立たないので、『イケメンな音楽したい』ということで『イケメン合唱団』と銘打ちました。顔がイケメンというわけではありません(笑)」
と、冗談交じりに教えてくれた。ちなみに「ベローム(Bel Homme)」はフランス語で「美しい男性」という意味だ。
今後の活動については、
「合唱ってマニアックというか、流行りとかがあまり関係ない。世の中のネタになるものを制作したことで、『合唱っていいな』って思う人が増えればと思います。これからもまじめに練習していきますが、機会があれば、こういった親しみやすい曲も動画にあげていきたいです」
とのことだった。