「悪質タックル」だけではない スポーツ指導者と選手の異常な支配構造

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   「絶対服従を強いる監督やコーチに追い詰められ、相手を『潰す』以外に選択はなかった」。アメリカンフットボールの試合で悪質なタックルをした日本大学の選手は、そう述べた。背景には「監督が黒と言えば白も黒」という異常な師弟関係があった。今回はアメフトに限らず、野球やバスケットボールなどスポーツにおける指導者と選手のあり方について考えてみたい。

   J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ(http://books.j-cast.com/)」でも特集記事を公開中。

「愛のムチ」か? ただの「暴力」か?

「選手を追い込むための暴力――どんなにプレッシャーがかかる場面でも平常心で戦えるように、どんなときでも監督の指令に忠実に動けるように、肉体的にも精神的にも選手を苦しめた」

   アメリカンフットボールの悪質タックルのことではない。『殴られて野球はうまくなる!?』(著・元永知宏、講談社、778円)の冒頭にそんなくだりがある。スポーツの現場で暴力を正面から肯定する人はまずいない。だが、暴力や体罰はあとを絶たない。本書は元プロ野球選手、指導者、元野球球児ら多くの関係者から取材し、暴力なしでも野球がうまくなり、チームを強くする方法はないかと探る。

   「野球界が暴力を容認する理由」「根性をつけるための暴力的な指導」「元プロ野球選手が語る『暴力』の功罪」など7章にわたり、野球指導の実態と問題点を明らかにする。著者の元永知宏さん自身、立教大学野球部の出身だ。

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