一般社団法人WITH ALSは、音楽フェス「MOVE FES. 2018 Supported by Hard Rock Experience」を、6月19日19時より豊洲PIT(東京都江東区)にて開催する。国が指定する難病であるALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の武藤将胤(むとうまさたね)氏が総合プロデューサーを務める。
日本には約1万人の患者がいる
今年で3年目の開催となる「MOVE FES.」は、ALSの啓発活動の一環で始まった。武藤氏は、「EYE VDJ」として出演し、目の動きのみでDJ・VJをプレイする。出演アーティストは、「EYE VDJ MASA」、「Def Tech」、「NOBU」、「AND MORE」。前売り券は、Peatix、CAMPFIREにて販売で4000円。そのほか、チケットぴあ、ローソンチケット、イープラスでも販売予定。当日券は会場にて販売で4500円。
発表資料によると、ALSは2018年現在、有効な治療法が確立されていない。意識や五感は正常のまま身体が動かなくなり、やがて呼吸障害を引き起こす。発症後の延命には人口呼吸器が必要で、平均余命は3-5年。世界で約35万人、日本には約1万人の患者がいる。
「アイスバケツチャレンジ」で注目されたが...
ALSは約4年前に流行した「アイスバケツチャレンジ」で注目された。これは、バケツにいれた氷水をかぶるか、治療法の研究を行っている米ALS協会に寄付をするかを選び、次のチャレンジャーを指名するという運動。ALS患者らが氷水をかぶる姿を、動画サイト「YouTube」にアップしたことをきっかけに、世界中で広まった。発表資料によると、武藤氏は、この運動により多額の寄付金があったとするも、
「アイスバケツチャレンジの運動自体は一過性で終わってしまいました。現在、未だにこの病気の治療方法は確立されておらず、ALSとの闘いは決して終わっていません」
と述べている。
武藤氏は6月21日の「世界ALSデー」に向けて、「KEEP MOVING」というメッセージを掲げ、さまざまな活動を行う。6月6日には武藤氏初の著書となる「KEEP MOVING 限界を作らない生き方」を誠文堂新光社より刊行、6月20日には、20年後の未来をテーマにした「眼で奏でるMUSIC FILM」の発表を予定している。