脱北者が綴った99編の手記
美女応援団や整然としたパレードはテレビでよく見るが、テレビに現れない北朝鮮の人たちはどのような暮らしをしているのか。その疑問に答えたのが『北朝鮮人民の生活 脱北者の手記から読み解く実相』(著・伊藤亜人、弘文堂、5400円)。脱北者自らが綴った99編の手記を収録した。
実に様々な現実が浮かび上がる。「結婚」「職場の思想学習」「幼稚園」「忠誠と献納」「電力供給の実態」「苗床と作業」「都市のアパートの実情」「障害者がいると家族全員地方に追放」「暖房の苦労」「地方産業工場」「豆腐商売」「松茸採り」「飢えと盗み」――。
社会主義公式体制を維持するために、膨大な非公式経済によって支えられている実態が解明される。