およそ1700社が出展する大規模なIT展示会「Japan IT Week 春」(2018年5月9日~11日)。会場となった「東京ビッグサイト」では、近年注目を集めているAI(人工知能)やビッグデータ、クラウドコンピューティングをテーマにした専門展に、初日から多くの人が訪れた。
出展社のひとつ、SBクラウド(本社・東京)は、クラウドサービスの市場シェア世界3位の中国アリババクラウドの国内データセンター運用やサービスのローカライズ、日本語サポートの提供を2016年12月から行っている。会場のブースでアリババクラウドのミニセッションが行われ、J-CASTトレンドが取材した。
大容量データを高速処理できる基盤が支える
「出張の際に北京空港に行ったのですが、フライトの3時間前に空港に着いても乗り遅れそうになるほどの混雑でした」
セッションを担当したSBクラウドのソリューションアーキテクト、森真也氏はこう話しながら、「SF映画のような」画面を指差した。映し出されたのは、航空機の離着陸状況やフライトスケジュールをビジュアル化して見やすくしたものだ。可視化することでデータ管理を容易にし、効率化につなげていく支援ツールとして使われている。
近年、ビッグデータの活用に多くの企業が興味を示している。ところが、過去数十年に渡るデータを持ちながら、「いったいどこから着手すればよいのか...」と困っている企業があるのが現状だ。森氏は、第一歩として「眠ったままのデータの見える化」を勧めた。セッションの際、北京空港のフライト状況のデータ表示で紹介されたソリューション「DataV」が、それを実現するツールとなる。
大量のデータを、多様なパターンのグラフや地図にして表示できる。刻々と変化する状況をリアルタイムかつ洗練されたビジュアルで、大画面に映しだすのだ。操作はドラッグアンドドロップが基本で簡単。画面上に並ぶグラフから気に入ったものを選び、保存されているデータと結び付ければ、すぐにビジュアル化ができる。難しい技能は不要だ。
「DataV」を支えるのが、アリババクラウドのデータソリューションの特色である「分散データ処理」、つまり大容量データを高速処理できる基盤だと森氏。ビッグデータを迅速、正確に解析して見える化することで、「例えば、従来は直近3年分しか見られなかったデータが、画面に数十年分表示されることにより、今まで気づかなかった傾向の発見や、過去を振り返ることで将来の予測に役立てるような効果も期待できます」。