いまの日本の組織経営に欠けている点 「デザインの視点」で見つめる

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

いかなる個人よりも全員が賢い

   デザインの誕生には洞察、観察、共感の三つの側面がある。関係者の意見出しからデザインの完成まで、実に幅広いメンバーが参加する。経営者、デザイナー、マーケティング担当者はもとより、心理学者、エスノグラファー(行動観察の専門家)、エンジニア、コピーライター、動画制作者が参加して試行錯誤を繰り返す。

   利用者とは初期からコンセプトを一緒に考える。顧客をイノベーションの参加者ととらえ、高級ホテルでは、顧客自ら滞在体験をデザインする仕掛けを用意することもある。

   大切にしているのは「いかなる個人よりも全員が賢い」という共通理解。経営トップや開発担当だけでなく、全員が進取の気性で取り組むことを許し合う組織風土を培うのである。

【霞ヶ関官僚が読む本】現役の霞ヶ関官僚幹部らが交代で「本や資料をどう読むか」「読書を仕事にどう生かすのか」などを綴るひと味変わった書評コラムです。
姉妹サイト