いかなる個人よりも全員が賢い
デザインの誕生には洞察、観察、共感の三つの側面がある。関係者の意見出しからデザインの完成まで、実に幅広いメンバーが参加する。経営者、デザイナー、マーケティング担当者はもとより、心理学者、エスノグラファー(行動観察の専門家)、エンジニア、コピーライター、動画制作者が参加して試行錯誤を繰り返す。
利用者とは初期からコンセプトを一緒に考える。顧客をイノベーションの参加者ととらえ、高級ホテルでは、顧客自ら滞在体験をデザインする仕掛けを用意することもある。
大切にしているのは「いかなる個人よりも全員が賢い」という共通理解。経営トップや開発担当だけでなく、全員が進取の気性で取り組むことを許し合う組織風土を培うのである。