「就職活動の早期化で、多くの学生は留学に抵抗感」
同書の編著者のひとり、一橋大学国際教育センターの太田浩教授はJ-CASTトレンドの取材に対し、「政府の政策的支援(奨学金)で、短期留学者数が増え、海外留学の裾野は広がっている」と説明する一方で、キャリア上の成功、語学力を含む異文化コミュニケーションや異文化理解、また専門的で高度な知識やスキルを伸ばすうえでは学位取得を目指す長期留学が必要だと強調した。異文化への対応能力と専門的知識を持った日本人が、アジアをはじめ海外の新興市場に出て活躍し、その成長性を取り込めるかが日本の成長やグローバル化適応のかぎを握るというわけだ。
しかし、「日本の大学特有の就職活動の早期化で、多くの学生は留学に抵抗感を持っている」と指摘。「現行の新卒一括採用方式の見直しなど、留学を経験した学生を社会で有効活用していく取り組み」の必要性を訴えた。