東京ディズニーリゾートが先月(2108年4月)、開園35周年を迎えた。記念イベントも行われ、ゴールデンウイーク中も大勢の入場者でにぎわった。リピーターも増えているが、パークの面白さや楽しみ方はまだまだ知られていない。今週は待ち時間対策や従業員の仕事などを紹介、ディズニーリゾートとは何かについても考えてみたい。
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最大限楽しむ75のテクニック
『ディズニーの待ち時間を劇的に減らす方法』(著・みっこ、ベストセラーズ、1296円)は、タイトルその通りの本である。
アトラクションは3時間、食事は1時間――年間3000万人が訪れる東京ディズニーリゾートで悩みの種となるのが待ち時間だ。ディズニーランドとディズニーシーの両方に通算1000回以上訪れた著者が最も効率的なテクニックを紹介する。
全部で75あるが、いくつかあげると――「パークを効率的に移動する時短テクニック」「待ち時間0分の面白い施設」「並ばずにパレードやショーをじっくり楽しめる場所」「絶対に空いている食事場所やトイレ」などなど。知っている人だけが得する「節約テクニック」では、グッズの値下げやコンビニの穴場情報、アルコールドリンクを安くする方法などもある。
「キャスト」はなぜ、いつも笑顔でいるのか
東京ディズニーリゾートで働く作業員は「キャスト」と呼ばれる。その職種27のすべてを紹介したのが『東京ディズニーリゾート キャストの仕事』(編・講談社、講談社、1350円)。
アトラクションキャスト、ワールドバザールキャスト、ナースキャスト、ソムリエキャストなど様々で、コスチュームの色彩、スタイルも実に多彩だ。若いキャストの笑顔の写真を見るだけでも楽しい。
1日の仕事の流れ、インタビューや座談会もあり、いつも親切なもてなしができるのはなぜなのか、その秘密に迫る。キャストになりたい人や働くことについて考え始めた中高生らにとっても参考になる。
家族みんなで夢をみる時代は過ぎた
「いま、東京ディズニーリゾート(TDR)はどんどん『脱ディズニーランド化』している」――。
『ディズニーランドの社会学 脱ディズニー化するTDR』(著・新井克弥、青弓社、1728円)はこう指摘する。家族みんなで夢を見るというウォルト・ディズニーの理想の時代は過ぎ去った。いまは「テーマなき萌え要素のごった煮」の中を「お一人様がそれぞれの目的のために突っ走っている」というのだ。東京ディズニーリゾートを通して、現代社会の変容の過程を解析する。
内容は「ディズニーランドと日本人」「テーマパークの本質」「ジャパン・オリジナル化するTDR」「TDRは聖地になりうるか?」など8章。付録としてディズニーを学ぶ人のための「ウォルトを知る」「東京ディズニーリゾートを知る」「専門的な視点からディズニーを考える」などがある。