家族みんなで夢をみる時代は過ぎた
「いま、東京ディズニーリゾート(TDR)はどんどん『脱ディズニーランド化』している」――。
『ディズニーランドの社会学 脱ディズニー化するTDR』(著・新井克弥、青弓社、1728円)はこう指摘する。家族みんなで夢を見るというウォルト・ディズニーの理想の時代は過ぎ去った。いまは「テーマなき萌え要素のごった煮」の中を「お一人様がそれぞれの目的のために突っ走っている」というのだ。東京ディズニーリゾートを通して、現代社会の変容の過程を解析する。
内容は「ディズニーランドと日本人」「テーマパークの本質」「ジャパン・オリジナル化するTDR」「TDRは聖地になりうるか?」など8章。付録としてディズニーを学ぶ人のための「ウォルトを知る」「東京ディズニーリゾートを知る」「専門的な視点からディズニーを考える」などがある。