ダメな経営者の特徴 宋文洲さんが4タイプをバッサリ

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リーダーに向かない私

   宋さんは54歳、1985年に中国から日本に国費留学し、北大の大学院を出た。営業支援ソフトとコンサルティングを手がけるソフトブレーンを92年に創業、05年に東証一部への上場を果たし、「成人後に来日した外国人」としては初の快挙となった。

   世の中には良い経営と悪い経営の二つしかない、というのが持論で、いわゆる「日本的経営」には懐疑的。根性や人情に頼る営業や残業文化には早くから厳しい目を向けてきた。なにかにつけ過去の栄光を追いたがる現政権にも容赦ない。

   経営から退いた今は、日本と中国を行き来しながら評論活動やテレビ出演に忙しい。

   成功者の経営指南というやつは、たいてい上から目線の自慢話に堕しがちだ。しかし宋さんの連載は、筆者のお人柄もあってか嫌味がない。文章の「ですます」体もうまくシンクロしている。

   さて、本題のリーダー論である。私は、いわゆる自己啓発書のたぐいには縁遠いし、40年近い職業人生で真剣に向き合ってこなかったテーマの一つである。

   ジャーナリストは個人プレーが基本だ。誰もほどよく自分勝手で、同じ社内でも心を許せる相手はそれほど多くない。そもそも、管理職として他人の人生を左右したり、会議で偉そうなことを言ったりするのが嫌でこの仕事を選んだ者が多い。

   宋さんのこのコラムを読んで、改めて、自分はリーダーには向かないのかと思った。

   決定的理由が上記(1)-(4)のどれかは伏せるが、密かに「社長くらいできる」と思っていただけに衝撃だった。「これ、たぶんやりそう」というのが一つあったのだ。

冨永 格

冨永格(とみなが・ただし)
コラムニスト。1956年、静岡生まれ。朝日新聞で経済部デスク、ブリュッセル支局長、パリ支局長などを歴任、2007年から6年間「天声人語」を担当した。欧州駐在の特別編集委員を経て退職。朝日カルチャーセンター「文章教室」の監修講師を務める。趣味は料理と街歩き、スポーツカーの運転。6速MTのやんちゃロータス乗り。
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