例年より早く咲いた桜は、関東より以西はほぼ散ってしまったが、東北から北海道では4月中盤から後半にかけて開花が見込まれている。この冬の寒さが厳しかったので早く暖かくなるのはうれしい気もするが、これから全国各地で異常気象が起こるのは困りもの。今回は、地球上で起きている異常気象や人々の生活への影響、またそれに対する対策などに関する3冊をご紹介しよう。
J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ(http://books.j-cast.com/)」でも特集記事を公開中。
気象学ではどこまで解明されているの!?
エルニーニョや偏西風の蛇行、寒気の流入、気候変動など、日本の天気は国境を越えた遠方の現象の影響をさまざまな形で受けている。遠く離れた場所で起こっていることが、どのように日本の気象に影響を与えているのか。『異常気象と気候変動についてわかっていることいないこと』では、異常気象や気候変動の基本的なしくみの説明とともに最新の研究について紹介。最先端で活躍する研究者たちが、地球規模で発生している異常気象や国境なき気候変動について教示してくれる。
「熱帯と異常気象―南の海から日本の天気へ」「偏西風の蛇行と異常気象」「寒波と異常気象」など全6章。写真やグラフ、地図も豊富でわかりやすい。
悪天候を追跡する職業「ストーム・チェイサー」
異常気象が常態化しつつある日本で、スーパーセル、ダウンバースト、そして雹や雷雨といった悪天候を追いかけている写真家、青木豊氏。なぜ彼が"ストーム・チェイサー"を目指すようになったのか!?『ストーム・チェイサー 夢と嵐を追い求めて』(著者:青木豊 結エディット 1944円)では、彼が生まれ育った雷の多い茨城県西の風土性や、自身の病気の克服などの自伝に加え、「ガストフロント」「ダウンバースト」といった温暖化現象で生じる気象災害について、迫力ある写真と解説でわかりやすく紹介している。
「誕生!The Japanese Storm Chaser」「茨城の気候・風土に抱かれて」「現場より Chase The Storm!」「空を見上げよう」の全4章のほか、「雷の交差点、らいさまおっかねぇ」「暮らしに生かしたい観天望気」などのコラムも掲載。
気象の変化が自律神経を狂わせる「気象病」
気温・湿度・気圧、そして天候の変化によって心身にさまざまな不調が現れる病気「気象病」。別名「お天気病」とも呼ばれ、頭痛・動悸・めまい・気分の落ち込みなど、原因不明の症状に悩まされることがある。『その痛みやモヤモヤは 「気象病」が原因だった』(著者:渡邊章範 青春出版社 1382円)では、どんな気象条件のときにどんな症状が起こりやすいのか、実際にどのような対策をとればよいのかなどを、自律神経のメカニズムを中心に解説していく。
「"天気が悪くなると古傷が痛む"に根拠アリ」「私たちのからだは、常に16トンもの空気を支えている」「低気圧がくると、体調を崩す人が増えるワケ」「天気予報では、温帯低気圧と前線に注目を」「気象の変化に負けない、自律神経の整え方・鍛え方」など、原因や症状別に不調を改善できる対応策が紹介されている。