ビジネスシーンでの印象は「肌状態」が左右する――。資生堂は2018年4月4日、こんな調査結果を発表した。
特に女性はビジネスマンの肌荒れNG
調査は2月6日~14日の期間、20代から50代の男女1100人を対象に実施された。
調査ではまず、ビジネスマンの外見をチェックする要素を聞いた。多かったものから、「服装」「髪型」「体型」「スタイル」「肌」の順となったが、男女間での差は「肌」が最も大きかった。男性が41.8%に対し、女性は58.3%。男性が思っている以上に、女性は男性の肌を気にしていることがわかる。
次に、20代ビジネスマンの平均的な顔画像を合成し、肌の状態(肌荒れ、肌色、シワ、色味、質感、明るさ、シミ)に応じて18パターンの顔を用意。それを使って、(1)信頼感があると思う肌、(2)リーダーシップがあると思う肌、(3)仕事がデキそうと思う肌、(4)グローバルで活躍しそうと思う肌、(5)一緒に働きたいと思う肌、をそれぞれ評価してもらった。
すると、1~5すべてで「肌荒れの有無」がイメージを左右することがわかった。裏を返せば、肌荒れが目立つ男性は、ビジネス上での評価に悪影響を及ぼす可能性が調査から見いだせる。
ニキビが与える印象は?
発表では専門家のコメントも紹介されており、明治学院大学の田中知恵教授(社会心理学) は、
「女性は自身にとって関与の高い『肌』状態という次元に基づいて、他者(男性)を判断している可能性があるといえます。さらには、『髪型』『体型』『スタイル』『服装』に関しては、ビジネスシーンにおいて女性と男性との直接比較は一般的に難しいのに対して『肌』は相対的に比較がしやすいため、女性が特にその特徴に注目した可能性も考えられそうです」
と分析した。
また、調査を行った資生堂の池田華子氏と小泉高陽氏は、
「(肌荒れの代表格である)『ニキビ』は中高生のような『若い』印象を与えてしまうことで、ビジネスシーンでの印象を左右するのかもしれません」
と考察した。
資生堂は調査結果を踏まえ、18年4月から男性の肌ケアに特化した企業向けセミナーを開始すると発表。日ごろのスキンケアの重要性を伝えていくとした。