Q&Aサイト「OKWAVE」を運営するオウケイウェイヴ(本社・東京)は2018年4月4日、同年7月から運用を開始する新しい経済圏「感謝経済プラットフォーム」の発表会を東京都内で行った。
サービスの内容をはじめ、一般ユーザーや企業にどのようなメリットがあるのかが説明された。
独自のチップで感謝を伝える
「民泊」や「カーシェアリング」など、物・サービス・場所などを、多くの人と共有・交換して利用する「シェアリングエコノミー」の拡大が見込まれる昨今、取引相手が「信頼できる人物かどうか」が重要だ。
「OKWAVE」のサイト内では過去19年間に数多くの悩みが、回答者によって解決されてきた。オウケイウェイヴは、良いことをしたら良い評価が返ってくる「感謝経済」というコンセプトを打ち出し、回答者の貢献度が第三者から認識・評価されるプラットフォームの開発を始めた。
自分にとって役立ったり、心に寄り添ってくれたりするような回答者にサイト内限定の独自トークン「OK-チップ」を贈り合えるようにすることで、ほかの人からどれほど感謝されているかをユーザーごとにスコア化する。このスコアは外部企業にも提供し、ユーザーにさまざまな特典を提供していくという。
企業が優れた人材見つける指標に
具体的に一般ユーザーにはどんな恩恵があるのか。
ひとつはOK-チップを、OKWAVEが用意する各種ギフト券といったプレゼントや、賛同企業が提供する製品と引き換えられるようにする。
また、他のユーザーから多くの感謝を受けている人、専門分野などで優れた回答を提供した場合は、スコア提供を受けている外部企業に「この人物は専門知識が豊富だ」「人格が素晴らしい」などと評価され、その企業に採用される道が開けるかもしれない。企業側にとってもスコアが、優れた人材を見つける指標になり得る。
オウケイウェイヴの代表取締役社長・兼元謙任氏は、このスコアが個人と個人、企業と個人が新しい関係を築く際に相手を判断する「新しい信用軸」にしたいと話す。
2020年には年間利用者10億人へ
オウケイウェイヴは「感謝経済プラットフォーム」の運用にともない、さらなる「OKWAVE」の利用者の増加も目指している。
18年4月4日からはサイト内の広告を大幅に減らし、パソコンの画面表示スピードをこれまでの3.6倍、スマートフォンでは1.5倍、それぞれアップさせた。さらに4月10日からこれまで有料だったサービスを無料化する。現在プライベートな内容を、専門知識を持った人に個別に回答をお願いする「非公開Q&A」は有料だが、今後は無料で利用できる。
また6月には、新たに参加するユーザー、これまでたくさんの貢献(回答)をしてきたユーザー、悩みを相談(投稿)したユーザーに「OK-チップ」を配布する。チップの配布量は、これまでの活動の貢献度合いによって異なる。
2018年4月現在、OKWAVEの年間利用者は約7000万人。兼元氏は2020年には、「感謝経済」プラットフォームを起点に10億人突破を目指すとしている。