故郷ボヘミアを思い続けたドヴォルザーク スラヴ的哀愁に満ちたピアノ三重奏曲「ドゥムキー」

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   今日は、チェコを代表する作曲家アントニン・ドヴォルザークの室内楽、ピアノ三重奏曲   第4番   Op.90「ドゥムキー」を取り上げましょう。

  • 楽譜にはドゥムキートリオと表記されることが多い
    楽譜にはドゥムキートリオと表記されることが多い
  • スラヴ的哀愁に満ちた旋律があちこちに…これは第4楽章の冒頭
    スラヴ的哀愁に満ちた旋律があちこちに…これは第4楽章の冒頭
  • 楽譜にはドゥムキートリオと表記されることが多い
  • スラヴ的哀愁に満ちた旋律があちこちに…これは第4楽章の冒頭

無類の鉄道好きだった

   1841年、現在ではチェコの首都となっているプラハの北30キロほどの小さな町に生まれたドヴォルザークは、苦学して音楽の道に進みました。実家の両親は音楽を職業にすることに反対し家業の食料品店を継がせたかったのですが、彼の才能に着目した音楽の教師たちが少年にプラハに出て学び続けるよう勧めたのです。

   この時のプラハはまだハプスブルグ家の帝国の一都市に過ぎず、チェコ民族主義の高まりはあったものの、首都となるのはオーストリア帝国が崩壊する第1次大戦後と、まだまだずっと後のことでした。

   余談ですが、ドヴォルザークは、無類の鉄道好きとして知られますが、これは、当時のオーストリア帝国の政策で、北のプロイセンに対抗して国の隅々にまで鉄道建設が推進されたため、彼の生家のすぐ裏に、まだ物珍しかった線路が施設されて汽車が走り、幼少期からそれを眺めていたことが影響している・・との説があります。

本田聖嗣プロフィール

   私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でピルミエ・ プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目CDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラマ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを 務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。
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