カシオ計算機が、かつて一大ブームを巻き起こした「ゲーム電卓」を再び世に送り出す。2018年3月23日、シューティングゲームを搭載した電卓「ゲーム電卓 SL-880」を発売する。
若い読者には聞き慣れないかもしれない「ゲーム電卓」だが、どんな商品なのか。
発売時には売り切れ店続出
時計の針を巻き戻すこと38年。カシオは計算機能とゲームを融合させた電卓「デジタルインベーダー(MG-880)」を1980年に発売した。
従来の電卓の一般的な機能とは別に、同商品は「シューティングゲーム」という新たな付加価値をつけた。ゲームは、電卓の数字表示をそのまま使ったシンプルな作りだ。右端から次々に飛び出して左側に攻めてくる数字を打ち落とし、打ち落とした回数で得点を競う。
デジタルインベーダーは当時大ヒットを記録し、1980年9月27日付の日経産業新聞では、
「小型でどこでも気軽にゲームができる点が人気を呼び、売り切れの店が続出、生産が需要に追いつかないという」
などと伝えている。最盛期には月産30万台を記録した。
カシオは後継機も次々に発表。ボクシングや野球、囲碁など多彩なゲームを搭載した電卓が発売された。