「演歌の女王」美空ひばりさんは没後の受賞
美空ひばりさんが病魔に侵され、この世を去ったのは1989年。52歳の生涯だったが、歌謡曲を通じて国民に夢と希望を与えたとして国民栄誉賞が贈られた。
ひばりさんは誰もが認める「演歌の女王」だが、日本映画の黄金期には「銀幕の女王」とも呼ばれていた。『映画で知る美空ひばりとその時代 銀幕の女王が伝える昭和の音楽文化』(著・斎藤完、スタイルノート、2160円)は、ひばりさんが主演した映画10本を選び、時代背景や社会状況の中で、どのように評価され、どのように変わってきたかを分析する。
取り上げているのは「東京キッド」「鞍馬天狗 角兵衛獅子」「リンゴ園の少女」「伊豆の踊子」「ジャンケン娘」「ひばり捕物帖 かんざし小判」「希望の乙女」「べらんめえ芸者」「ひばり十八番 弁天小僧」と「ひばりのすべて」の10章。懐かしい作品ばかりだ。