日本の名作漫画の最終回のみを掲載した、累計84万部突破の人気シリーズ「いきなり最終回」(宝島社)が、約20年ぶりに復活した。
いったいなぜ復活したのか。J-CASTトレンドは担当編集者に話を聞いた。
人気漫画10作品の「最終回のみ」を収録
1990年に第1作が刊行された「いきなり最終回」シリーズ。出版社の垣根を越え、ラストシーンのみを収録した書籍の発売は初めてで、当時その企画の新しさが話題となった。95年までに第7作まで刊行された。
あれから23年。18年2月26日に宝島社から「いきなり最終回 昭和・平成『傑作マンガ』スペシャル!」が刊行された。
本書は「北斗の拳」「キン肉マン」など誰もが知っている名作から、91年に始まり現在も続く「バキ」シリーズの第1期「グラップラー刃牙」まで、人気漫画10作品の"最終回のみ"を収録している。価格は917円(税別)。
「団塊ジュニア」世代から着想
18年3月2日、J-CASTトレンドは同書の担当編集者に取材した。
今回23年ぶりに「いきなり最終回」を復活させるに至った経緯について聞くと、
「90年代、『いきなり最終回』シリーズは『昔懐かしい漫画』の掲載がメインでしたが、『団塊ジュニア(71~74年生まれ)世代を夢中にさせた作品』というセレクションで、企画のリニューアルができないだろうか?と考えたことがきっかけでした」
と明かした。
ではなぜ、団塊ジュニア世代を意識したセレクションなのか。それについては以下のように話している。
「団塊ジュニアといえば、少年期~青年期と、漫画雑誌の黄金時代を経験している世代。漫画に関して非常に『目が肥えて』いるので、彼らが認める名作が面白くないはずありません」
最後に、読者にどのように楽しんでもらいたいかを聞いた。
「雑誌連載時、熱心に読んでいたものの、物語のラストシーンをよく思い出せない......たとえそれが『名作漫画』であったとしても、よくあることです。本書を読んでスッキリしてください(笑)」
とはいえタイトルは知っているが作品を読んだことのない読者や、当時読んでいたものの内容を忘れてしまっている読者も多いはず。こうした読者も楽しめるよう、最終回に至るまでのあらすじや登場人物紹介、作品解説なども充実させているという。