レンタカーや競合サービスとの違いは
シェアリングエコノミーでは、サービスを提供する側がいかに質を担保できるかが課題となる。例えば民泊では、貸し出した部屋で宿泊者が騒ぎ、近隣住民に迷惑をかけるようなトラブルが起きうる。逆に貸主側の説明不足で、文化や習慣の異なる外国人客が困るケースもあるだろう。
エニカの場合、会員同士が直接顔を合わせる機会をつくり、オーナーとドライバー双方が持つ不安の解消に努めている。サービス説明会開催のほか、車の撮影会や「乗ってみたい車」に乗れるイベント、ユーザー同士の交流会を企画、実施している。
車の一時利用サービスにはレンタカーがあり、またカーシェアリングも「タイムズカープラス」といったライバルが存在する。エニカが今後事業を拡大していくうえでは、「車好き」のユーザーだけでなく、移動手段として車を使いたい層に拡大していく必要があるだろう。宮本氏は、「シェア料金がレンタカーと比べて安い」点が口コミで広がっており、エニカが普及していくうえでのポイントとして挙げた。ただ一方で、オーナー側には「レンタカーではなく、シェア」という思いもあるという。価格優位性に個人間カーシェアならではの「プラスアルファ」を加えて、レンタカーや競合他社との差別化を図っていきたいところだ。