自宅の部屋を有料で旅行者にレンタルする「民泊」をはじめ、自動車や自転車などを一時的に貸し借りする「シェアリングエコノミー」が近年、日本でも徐々に浸透してきた。
ディー・エヌ・エー(DeNA)は2015年9月から、個人間のカーシェアサービス「Anyca(エニカ)」を展開している。開始から約2年半が経過した18年2月26日、東京・渋谷にあるDeNA本社で、サービスの現状に関する説明会が開かれた。
貸す側も借りる側もアプリで手続き
エニカは、車のオーナーと、車を使いたいドライバーを結びつけるサービスだ。双方とも会員登録が必要だが、スマートフォン(スマホ)のアプリ操作で車の予約ができる。
まずオーナー側。登録したら自家用車の写真をはじめ、貸出時間や料金といった詳細をアプリ上で設定できる。「車を使わない日が多い。維持費も結構かかる、でも、手放せない」人が、貸し出すことで「乗らない時間」を有効活用できる。
ドライバー側は、アプリで借りたい車の車種や場所、時間から検索で絞り込み、気に入った車を見つけたら予約リクエストをする。これはオーナーに送られ、承認されれば確定だ。受け渡しの方法は、アプリ内のチャットでやり取りして打ち合わせができる。「1日自動車保険」にも自動的に加入という仕組みだ。支払いは、ドライバーが事前登録したクレジットカードで決済される。オーナーには、指定の銀行口座にDeNAから料金が振り込まれる。
現在、会員登録数は12万人超で、車の登録台数は4500台以上、車種数も600台以上と、DeNAオートモーティブ事業本部の宮本昌尚氏が説明会で明かした。利用するドライバー側の86.5%が、乗りたい車種の車があることを理由に挙げ、最も多い。これに次ぐのが、76.1%の「安さ」だった。