松生恒夫先生の「ミントと健康」(後編) 古代から研究されてきた頭痛への効力

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メントールの緊張緩和作用で痛みがやわらぐ

   頭痛には緊張型頭痛のほかに片頭痛、群発頭痛などがありますが、いずれも脳自体が痛んでいるわけではありません。そもそも脳には痛覚がないため、頭皮やその血管、筋肉の緊張などが痛みの発生源になると考えられています。

   では、ペパーミントの鎮痛効果はどのようなメカニズムで発揮されているのでしょうか。

   前回ご紹介した通り、メントールには筋肉の緊張をやわらげ、痛覚を伝達する物質の放出を抑える作用があります。

   腸や頭の痛みを緩和することができるペパーミントのメントール成分ですが、ペパーミントオイル溶液を大量に飲むという摂取方法は中毒の危険性がありおすすめできません。歯磨き粉や口腔(こうこう)洗浄液では体内に吸収される量が微量すぎます。

   手軽に摂取するのであれば、ペパーミントガムなどを噛むのがよいでしょう。ペパーミントの香りでストレスを緩和させるとともに、ガムを噛むことで脳に刺激を与え活性化させることも期待されます。ストレスの多い現代人にとってぴったりのミント摂取方法ではないでしょうか。

松生恒夫(まついけ・つねお)

松生クリニック院長。東京慈恵会医大卒業。同大学第三病院内科助手、松島病院大腸肛門病センター診療部長を経て、2003年東京都立川市にクリニックを開設。日本内科学会認定医。現在までに4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた第一人者で、地中海式食生活、漢方療法などを診療に取り入れている。著書に『お腹と頭がすっきり! ミント健康法』(廣済堂出版)、『老いない人は何を食べているか』(平凡社新書)、『便秘、冷えにオリーブオイルの腸効果!』(文化出版局)など多数。

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