2018年は、平昌冬季五輪のほか、6月にはサッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会が控える。米大リーグのロサンゼルス・エンゼルスに移籍した大谷翔平選手の「メジャーデビュー」もあり、スポーツのビッグイヤーと言える。
人気の国際イベントが多く、テレビの視聴機会の増加が予想されると同時に、テレビの購入数増が予想される。ただ、今年と同じく冬季五輪とW杯が重なった4年前は、大きな伸びはなかった。需要の押し上げ材料はあるか。
薄型テレビ全体の出荷量減も4Kは2割増
調査会社GfKジャパンが2018年2月14日に発表した「2017年家電・IT市場動向」によると、昨年の薄型テレビの販売台数は前年比1%増の490万台となった。なかでも高解像度の「4K」商品の数量が前年比47%増の155万台で、全体の3割を占めるほどになった。
一方でこんなデータもある。電子情報技術産業協会(JEITA)発表の「2017年民生用電子機器国内出荷統計」では、薄型テレビの出荷数量が前年比10%減の427万2000台。ただし4Kに限っては同22.5%増と好調だった。
昨年と同じく、冬季五輪とW杯を控えていた2013年はどうだっただろう。JEITAのデータをさかのぼってみると、薄型テレビの出荷数量は前年比16.7%減の537万6000台だった。「五輪・W杯イヤー」の14年になると、同2.1%増の549万台と、わずかながら盛り返した。
「頼みの綱」は、やはり4K需要の高まりだろう。商品価格比較サイト「価格.com」を見ると、人気上位の商品のなかでは49インチ型で10万円を切るものも販売されている。ディスカウントストア「ドン・キホーテ」では昨年、50インチ型4Kテレビを5万円台で売り出し、話題を集めた。
18年1月25日付の毎日新聞夕刊は、年末商戦で50インチ型前後の15万~20万円の価格帯の商品が売れ行き好調だったと、東京都内にある家電量販店の担当者のコメントを載せた。一方で同紙では「落とし穴」があるとも指摘。今後4Kの実用放送が始まると、その受信には専用チューナーが必要となり、数万円になると見込まれているとする。しかもその仕組みが浸透しておらず、せっかく4Kテレビを買ったのにチューナーの存在を知らず「4K放送が見られない」という事態になりかねないわけだ。