一見すると、ごく普通のダブルクリップだが、ツイッター上では「すごく簡単なことだけど誰も気づかなかった」「盲点オブ盲点」などと大きな注目を集めている製品がある。
書類をはさむダブルクリップの新商品「エアかる」だ。大手文具メーカーのプラスが2018年3月1日、発売する。
「てこの原理」を働きやすく
記者は、机の中に眠っていたダブルクリップを久々に使ってみた。今まで特に意識したことは無かったが、これが固い。痛い。レバーをかなり強めに押し、ようやく挟み口が開いた。資料を留めるだけで一苦労だ。
この「欠点」の改良に挑んだのが「エアかる」だ。特徴は2つ。1つは、本体部分に突起をつくり支点の位置をずらすことで、より「てこの原理」を働きやすくした。これにより従来品と比べて最大50パーセント程度の力でレバーが開く。プラス社は「空気のように驚くほど軽く開ける」とアピールする。この仕組みは現在、特許出願中だという。
2つ目は、レバー先端の形状を円形からフラットに変更。指への接地面が増え、フィット感が増した。
だが、なぜ今になって改良に取り組んだのか。同社は60年前からダブルクリップを販売しており、これらの欠点は自明のはずだが......。