「遺伝子組換えでないものを分別」ってどういうこと? 表示見直し検討も分かりにくさが心配

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消費者庁の見解を求めて取材すると...

   折衷案では表示の種類が増えるばかりで、ますます消費者には分かりにくくなるように思える。「遺伝子組換えでないものを分別」と書かれても、直感的になんのことか理解できないだろう。

   農学系の研究者らで構成される「日本農学アカデミー」も2月14日付で、公式サイト上に「遺伝子組換え食品表示改訂に関する新たな要望書」を公開し、「遺伝子組換えでないものを分別」という表示では問題解決につながらないとし、その場合は「遺伝子組換えの混入は5%未満(※原文ママ)」と明記するよう提案している。

   ではなぜ折衷案が出たのかというと、消費者庁の資料によれば「5%以下の混入は誤解を招くとは言えない」「混入率が厳しくなると事業者の対応が難しくなる」「混入を恐れて遺伝子組換え作物を輸入できなくなり原料の安定供給が難しくなる」などが挙げられている。

   消費者庁としてはどう考えているのか、検討会に関わっている消費者庁食品表示企画課にJ-CASTトレンドが取材をしたところ、「さまざまな案が出ている中で検討を重ねている段階で、(最終報告書が提出される予定の)3月までは消費者庁としてコメントはできない」としたうえで、こう続けた。

「現行の表示が誤解を招くのではないかという観点から行われている検討会ですので、どのような表示にすることが適切なのか、検討の過程でさまざまなご意見を踏まえた案が提案されています。折衷案もそのひとつということです」

   また同課は、組換え表示はあくまでも消費者への情報提供のひとつでしかないとの考えだ。取材に答えた担当者は、

「国内で流通する遺伝子組換え作物は国の審査で安全性が確認されたものです。『遺伝子組換えでない』『遺伝子組換え』といった表示は食品の安全性やリスクを訴えるものではなく、単なる原材料情報のひとつに過ぎず、それ以上の意味はありません」

    と話した。折衷案で表示がさらに分かりにくくなるのか、気になる表示の行方。次回検討会は2月16日に開催される予定だ。

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