寒波の影響で、全国的に寒い冬が続いている。福井県で130センチ超の積雪と37年ぶりの大雪となり、国道8号線では1000台以上の車両が立ち往生した。首都圏でも連日最低気温が氷点下となり、先月は雪で鉄道が大混乱したのは記憶に新しい。
異常低温で水道管が破裂、凍結といった被害も多く報告された。食事の準備や洗い物、洗顔、入浴と水は日常生活のあらゆる場面で欠かせない。中でも最も困るのは、水洗トイレが使えなくなることだろう。
東日本大震災の避難所で被災者が困った
気象サイト「ウェザーニュース」は2018年2月7日、水道管の凍結による「トイレ問題」をウェブサイト上で指摘した。例示したのが、2011年の東日本大震災で避難所となった学校施設の管理者に文部科学省が行ったアンケート結果だ。2012年の調査で、避難所で問題となった設備として最も多く挙げられたのがトイレ(74.7%)だった。暖房や給水、通信よりも問題があったのだ。
広域で水道管が凍結すれば、震災時と同様に多くの家庭でトイレの使用が不可能になる。修理の依頼が業者に殺到し、水が出るようになるまで時間がかかる恐れがある。そこでウェザーニュースでは、「身近にあるものを使った簡易トイレの作り方を覚えておきましょう」とイラスト入りで説明している。バケツか段ボール箱にポリ袋をかぶせ、中に新聞紙をちぎって入れるだけで完成だ。ある程度臭気も抑えられる。「応急処置」としては十分だろう。
携帯トイレを準備しておくのも手
日本トイレ研究所のサイト「災害用トイレガイド」には、多様な種類の災害用トイレ製品が紹介されている。そのひとつ「携帯トイレ」は、「断水や排水不可となった洋式便器等に設置して使用する便袋(し尿をためるための袋)」との説明だ。タイプはそれぞれだが、例えば吸水シート型の袋を便器にかぶせる、型枠を組み立ててビニール袋をセットし、中に除菌や悪臭を消す薬剤を入れる、といったものがある。
ほかに「簡易トイレ」がある。例えば組み立て式の便器と便袋のセットで、脱臭剤と使用済みの袋を一時保管するために高い密閉性のあるチャック袋も付属しているものがある。
万一に備えて、インターネット通販サイトや総合スーパー、ホームセンターでチェックしてみてはどうだろうか。