アダルトビデオが「教科書」になってしまう危険
そのほか、教育現場への進出ももくろむ。鈴木氏は、学校での「性教育」の欠点をこう指摘する。
「保健体育の教科書で『性』を扱ってはいるのですが、抽象的な表現が多く、肝心な部分が伝わりづらいと感じています」
多くの中学校で採用されている保健体育の教科書(大修館書店)の授業案を見てみると、前述したマスターベーションに関しては記述が無く、「男子生殖器の各部の名称」や「射精のしくみ」についての解説などにとどめている。
「そのため、アダルトビデオが『教科書』になってしまい、間違ったマスターベーションやセックスを『普通』だと勘違いする人も少なくありません」
「加えて、教える側の先生が(性教育の)プロフェッショナルではないため、適切に指導できないケースがあると思われます。そのような背景もあり、性について話すことに抵抗感があるように考えられます」
学校側も課題に感じているようで、最近では医師に出張授業を頼むケースも増えている。TENGAヘルスケアはここに目をつけた。出張授業で活用できる教育ツールの製作を、医師と共同で進めている。
最後に、今後の"野望"を鈴木氏に聞いた。
「正直、まだまだ先行投資の段階で収益的には厳しい部分はございますが、今後はTENGAグループの事業の柱として、2020年までには売上10億円を目指してまいります」