アニメの世界が現実のものになろうとしている。
米のスタートアップ「Magic Leap」は2017年12月20日、ゴーグル型のMR(複合現実)端末「Magic Leap One」を発表した。
VR、ARの上位技術
MRとは、VR(仮想現実)とAR(拡張現実)に似た技術である。VRはバーチャル空間を作りだすのに対し、ARは現実空間にバーチャル要素を加える。前者はソニーの「PlayStation VR」、後者はスマートフォンアプリ「ポケモンGO」が代表例だ。
それではMRとはなにか。明確な基準は無いが、簡単に言えばARをより進化させたものだ。現実とバーチャルの区別がつかないほどの空間を生み出す夢のような技術である。
「ポケモンGO」は、ポケモンと街の風景がはっきり「別物」だと識別できるが、その区別があいまいになるほどに昇華されると「MR」になる。
日本航空もMRを活用
MRをめぐっては、日本マイクロソフトが昨年末、MRゴーグル「HoloLens(ホロレンズ)」を開発者向けに発売し大きな話題に。日本航空が運航訓練として導入するなど企業での活用が進んでいる。
巨人を追いかける「Magic Leap」は、2011年創業とまだ若い会社だ。しかし将来性が評価され、Googleや中国ネット通販大手アリババから出資を受ける。そしてついに待望の「Magic Leap One」がお目見えとなった。
詳細は明らかとなっていないものの、「Magic Leap One」はゴーグル、バッテリーなどを内蔵した端末、コントローラーの3点セット。ゴーグルを装着し、コントローラーを使って何かしらのアクション――気になったニュースの閲覧や、目の前に現れた「怪物」の撃退など――を実行するとみられる。
2018年に出荷予定。価格は未定。
アニメ「ドラゴンボール」のスカウターしかり、「名探偵コナン」の犯人追跡メガネしかり。夢に見た世界がすぐそばまで来ている。