「1年間お世話になりました」「本年もよろしくお願いします」――年末年始はあちこちでこんな挨拶が交わされる。堅苦しいことは苦手だという人も多いが、年末年始に限らず、ちゃんとした挨拶ができないと一人前の社会人とはいえない。今回は、挨拶の定番、文書・メールの表現、お祝い、お悔やみ、美しい食事の作法など今さら人に聞けない大人のマナーを紹介したい。
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マナー以前の常識からコミュニケーションまで
マナーや作法の本は昔からあるが、『図解 社会人の基本 マナー大全』(著・岩下宣子、講談社、1080円)も定番のひとつで、どこのうちでもそばに置いておきたい1冊だ。
特にシチュエーション別に豊富な図解で解説しているのが特徴。「あらたまったときのあいさつ」「およばれ」「おもてなし」――こんな場合にどうしたらいいか、必要な知識をササッと教えてくれる。手紙、会話、言葉づかいにも親切だ。
マナー以前の社会人必須常識から始まり、日常のふるまい、食事の席、コミュニケーション、おつきあいのお金など8章。コンパクトな事典になっている。
言いにくいことを上手に伝える表現
語彙力とは難しい言葉だが、どれだけ多くの単語を知っていて、十分使いこなすかどうかということだろう。大人として身につけておきたい教養のひとつだ。『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(著・吉田裕子、かんき出版、1404円)は、豊富な言葉の意味や背景を理解したうえで、場面や状況に適切な表現ができるよう解説している。
第1章「仕事がなめらかに進む挨拶の定番表現」から「さりげなく人を立てる表現」「文書・メールでよく使われる表現」「言いにくいことを穏やかに伝える表現」など7章。
著者の吉田裕子さんは大学受験塾の講師。教え方が好評で栄光ゼミナールの授業コンテストで全国優勝した経験がある。テレビや雑誌でも活躍中だ。
どんな料理も美しく食べるには法則がある
『世界一美しい食べ方のマナー』(著・小倉朋子、高橋書店、1296円)は、7つの基本と48の実例で、あなたの食べ姿がガラリと変わるという1冊だ。パスタ、焼き魚、丼、高級フレンチ・・・どんな料理も美しく食べるには法則がある。
例えば、一口サイズで切って食べるというマナー。一口の量が多いと大口を開けてみっともない姿になるが、それだけではない。食べる時間が長くなり、会話のリズムが乱れてしまうからだ。魚をきれいに食べる一番の方法は、ひっくり返さないこと。コーヒーや紅茶の美しく見える飲み方は、砂糖やミルクをカップに直接入れないこと。
その他、「指が長く見えるグラスの持ち方とは」「フォークの背にご飯をのせてもOK?」「スープをすすらずに飲むにはどうすればいいのか」――それぞれ美しい食べ方、飲み方のマナーと理由を示す。