日本能率協会は、社会価値を生み出す持続的な経営・組織・人づくりを行っている取り組みを称え、紹介する「KAIKA Awards(カイカアワード)」を行っており、2017年12月13日、2017年度の「KAIKA大賞」が発表された。
受賞結果とは別に、ことしのエントリー組織の取り組みから、3つの経営トレンドも見えてきた。
それは、「0.35億」型、「新たな地図」型、「働きながら改革」型――。どれもことしの流行語になぞらえられたネーミングだ。
30歳未満の人口は0.35億人
「0.35億」型は、「働くことの本質を問い直しながら、次世代の人材創造を実現」する動きのこと。
日本の30歳未満の人口は0.35億人(約3500万人※)だ。少子高齢化が急速に進む中で、人口の3割弱を占めるこの次世代の人材が成長していくことは喫緊の課題でもある。
本年のエントリー組織では、企業OBによる子どもへのものづくり教育の取組み、日本の伝統的な産業技術を見直す中で次世代の職人育成に全社一丸となった取組みなどがあり、これを「0.35億」型と名づけた。
「新たな地図」型は、「新たなコミュニティ創造を実現」する取り組みのこと。
例えば、外部とのコラボレーションを積極的に行うことで、高度成長期に確立された事業に加えて新たなビジネスモデルを創出したり、既存の集合住宅の共用部に新しい価値を与えて若い世代を呼びコミュニティを形成したりと、日本が抱える様々な社会課題に対する価値ある動きを指す。
「働きながら改革」型は、「実務の本質的な見直しを通じて、働き方改革を実現」する取り組みだ。
例えば、IT系の業種で課題となっているキャリア形成について、現場起点で社員同士が課題・事例共有することで相互にキャリアアップできる仕組みづくりや、日本が誇るものづくりにおいて女性や高齢者まで幅広い社員に技術伝承することで結果事業が拡大した取り組み。ユニバーサルな就労をテレワークで実現する取り組みなどがあった。
詳細は、「KAIKA Awards(カイカアワード)」サイトから。
※出典:総務省『人口推計』平成26年10月1日現在