鬼龍院翔さんの切ない曲が好き
―― たとえば、鬼龍院翔さん(「Miren」作詞作曲)は、ビジュアル系というゴールデン・バンバーのイメージもあって、一般的には、周囲から見ると「ち・ち・ち」の2つ目の「ち」(狂気、ばかばかしさ)のように映ります。大竹さんの目から見ても、鬼龍院さんはそのように映っていらっしゃるのでしょうか。
大竹さん「いいえ。そんなことはありません翔さんとは、かれこれ3年くらいのお付き合いになりますが、本当に真面目で、ステキな人で大好きなんです。私は翔さんの切ない曲が好きです。『女々しくて』のハチャメチャな印象が強いのかもしれませんが。2つ目の『ち』の部分は、どちらかといえば、松尾スズキさん(作詞)の『変な芸術の先生』のほうだと思います」
── その「変な芸術の先生」もそうですが、今回のアルバムでは、大竹さんの歌唱法の幅広さに驚かされました。「変な芸術の先生」ではなんというか、壊れた歌いっぷりがスゴイですが、これには演技的な要素を、かなり意識されたのでしょうか。
大竹さん「そうですね。演技的な要素は意識します。私は俳優なので、やはり演じて歌うことしかできません」
―― それは、どういうことでしょうか? 2016年末のNHK紅白歌合戦で、エディット・ピアフの「愛の讃歌」を歌われましたが、観ていて圧倒されました。あれは演技的だった......。
大竹さん「気持ちを込めるというか、歌詞の想いを伝える。そのために、どう表現することがいいのか、考えていますね。たとえば、『愛の讃歌』はピアフの世界観がすでに浸透していますよね。ピアフへの敬意、世界観をインスパイアしつつ、私の気持ちもそこへ込めて歌いました」