2018年のNHK大河ドラマは「明治維新の三傑」に数えられる西郷隆盛の半生を描く「西郷どん(せごどん)」。維新150年の節目に当たることから企画された。大河ドラマは、17年の「おんな城主直虎」まで8作連続でオリジナル脚本で制作されてきたが、今回は林真理子さんの小説「西郷(せご)どん!」を原作に映像化。ほかにも書店では「西郷本」があふれている。
直江兼続描いた「天地人」以来
林さんの原作は2017年11月刊行。大河の放送が始まる直前ともいえる時期になったのは、ドラマ化が決まった当時にはまだ、作品が文芸雑誌で連載中だったから。「本の旅人」(KADOKAWA)16年2月号に第1回が掲載され、17年9月号で最終回を迎えた。
「西郷(せご)どん!」(KADOKAWA)は、並製版(全3巻、各926円、税別)のほか、大河ドラマの原作となったことによる人気の上積みを見越したか、ドラマと並行して繰り返して読むのにも適したハードカバー仕様の上製版(全2巻、各1700円)も用意。満を持しての出版となった。大河ドラマが、発表されている作品をもとに制作されるのは、戦国武将の直江兼続を描いた火坂雅志さんの同名小説を原作にした09年の「天地人」以来。
「西郷(せご)どん!」では、西郷が愛にあふれたリーダーとして描かれており、師弟愛や男女の恋愛のほか、いわゆるBL(ボーイズラブ)なども登場。大河ドラマでの描かれ方が注目されている。西郷は鈴木亮平さんが演じる。