スペルはいい加減だが曲は素晴らしい シューベルトの「楽興の時」

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オシャレな雰囲気を狙った結果

   ところで、この「楽興の時」という変わった題名は、もともとシューベルトが、この新しいジャンルのピアノのための小品集を出版するにあたって、フランス語でつけられた題名でした。本人の発案か、出版社の意向かはわかっていませんが、ドイツ語圏のウィーンで、わざわざフランス語にした、ということは、ちょっと「オシャレ」な雰囲気を狙ったものだと思われます。

   しかし、表記は、Six Momens musicals となっていて、これはフランス語でありえない複数形、つまり文法的に誤りであり、現在では、正しい表記のSix moments musicauxと、訂正されて印刷されています。そのまま直訳すると、「6つの音楽的時間」となるわけですが、日本語に翻訳する人も「オシャレ」を意識したのでしょう、「楽興の時」という文学的な翻訳をし、広く定着しています。

   このある意味あいまいな題名のもと、自由に作られたピアノ小品集というジャンルは、フォロワーを生み出し、その後、ラフマニノフなどが、同じフランス語表記の「楽興の時」と名付けたピアノ作品集を作曲しています。

本田聖嗣

本田聖嗣プロフィール

私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でピルミ エ・ プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソ ロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目CDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラマ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを 務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。

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