大学と民間企業が連携して設計、建築した「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」(ZEH)(読みは「ぜっち」)のモデル住宅を展示するイベント「エネマネハウス2017」 が、2017年12月2日~17日まで大阪のうめきたサザンパーク(大阪市北区)で行われている。
12月2日には、開会式が行われた。
京大、近大など5チームが参加
「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」(ZEH)は、省エネや太陽光発電などで年間の1次エネルギー消費量を正味でゼロにできる住宅だ。「エネマネハウス」では、大学と民間企業が設計、建築したZEHのモデル住宅を展示し、住宅の新たな価値を創出して理解促進、普及啓発を図る。
第3回となる「エネマネハウス2017」のテーマは、「LIFE DESIGN INNOVATION~住まい・コミュニティに多様な新しい価値を創造する~」。公募を経た審査で選ばれた、京都大と近畿大、首都大学東京、武庫川女子大学大学院、早稲田大と芝浦工業大のペア、の5チームが参加した。
京大は、伝統的な京の町家にZEHの要件を満たす「ZEHコア」を挿入して改修。近大は既存住宅に「窓辺のカートリッジ」を増築するとともに、既存部分の一部を超高断熱化、その他の部分を半屋外空間の「ルームガーデン」とした。
首都大のモデル住宅では、沖縄や東南アジアなどの蒸し暑い地域を対象とし、通風や日射遮蔽などを考慮した。武庫川女子の「キセカエハウス」は、「クラ(蔵)」と「エン(縁)」の空間を創出し、まるで季節ごとに衣服を着替えるように建具を「キセカエ」できる住まいに。早大&芝工大の改修案では、高断熱の新設壁を既存低断熱壁の内外を縫うように配置するなどし、築40年の工業化住宅の寿命を実質80年以上まで延命させる。
式後、早大&芝工大の学生代表を務める、早大大学院修士2年の女子学生は
「工業化住宅の低断熱壁を断熱補強するのではなく、熱を取得できるものとして活かそうと考えた。住宅の外観は、あまり変わらない。『おばあちゃんの家』をそのまま残しながらも、強力な家を作れる」
とコメント。
「学生の身分で家を建てられる貴重な機会をいただけたと思う。設計で図面を書いたので、施工途中は感動していた」
と振り返った。