三省堂(東京都千代田区)は2017年12月4日、「三省堂 辞書を編む人が選ぶ『今年の新語2017』」として、そのベスト10を発表した。
「国語辞典の書き換えを迫る出来事」
三省堂の公式サイトやツイッターでの公募に寄せられた延べ2452語(異なり1072語)から、辞書の編集を担当する選考委員が「今後定着しそうな言葉」の観点でベスト10を選出した。
大賞は「忖度」。奇しくも「ユーキャン新語・流行語大賞」(自由国民社主催)と同じだった。
受賞理由は
「国会での議論を発端に、『相手の気持ちを推測すること』という意味から、『有力者に気に入られるための推測』という意味で使用される例が目立つようになった」
「従来『○○を忖度する』の形で使うことが一般的だったが、『忖度が働く』『忖度が入っている』など『忖度』がフレーズ(句)の形で使われることが多くなった」
の2点だという。
「今年の新語」の発案者で選考委員を務めた、国語辞典編纂者の飯間浩明さんは12月4日、ツイッターで
「『今年の新語2017』の独自性を打ち出すには、『忖度』を大賞に選ぶのは良策でない」
とした上で、
「でも、『忖度』の新用法の出現は、今後の国語辞典の書き換えを迫る最大最強の出来事でした。無視はできません。『これって忖度〔=有力者に配慮して企画を自粛したりする〕だよね』などの言い方は今後増えるでしょう」
と説明した。