人間たちに翻弄されたアイドル動物・パンダの150年
発見当初から人々を魅了し、動物園では驚異の集客力を発揮しているジャイアントパンダ。中国共産党は外交に、WWF(World Wide Fund for Nature世界自然保護基金)は広告塔に彼らを利用した。『パンダが来た道: 人と歩んだ150年』(著者:ヘンリー・ニコルズ 白水社 2592円)では、このアイドル動物と人間が辿った数奇な道のりや、謎に包まれた生態と繁殖、保護活動の最新情報まで、サイエンスジャーナリストニコルズ氏が綿密な調査に基づき紹介している。
「未知の動物/極上の白黒のクマ、皮と骨、狩りの始まり、生け捕り作戦」、「象徴としての動物/共産主義国の『商品』、野生動物保護の顔、お見合いの政治学、第二の生涯」、「保護される動物/大統領のパンダ、野生のパンダたち、飼育下での研究、未来へ」の全3部。図版も多数。