ため息がもれる...「ロマンチック」すぎる羊羹 女子よ、これがインスタ映えだ!

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   切るたびに断面の絵柄が異なり、さまざまな味わいを楽しめる――。老舗和菓子店のそんなようかんが、商品名の「Fly Me to The Moon」も含め、ネット上で「ロマンチック」と話題になっている。

   開発の出発点は、東日本大震災での被災経験だったという。

  • その美しさにため息が漏れる
    その美しさにため息が漏れる
  • 「Fly Me to The Moon」
    「Fly Me to The Moon」
  • その美しさにため息が漏れる
  • 「Fly Me to The Moon」

芸術品ですね...

   創業1848年の老舗和菓子店「本家長門屋」(福島県会津若松市)のようかん「Fly Me to The Moon」が、ツイッターなどインターネット上で2017年11月28日ごろから、一般ユーザーのつぶやきをきっかけに話題を呼んでいる。

   特徴は、切る場所によって断面の絵柄が様変わりすることだ。同店公式サイトの説明によれば、

「三日月で止まっていた鳥が、徐々に満月に向かい羽ばたき、景色も少しずつ夜の帳が下りていきます」

という。

   「鳥」と「月」には、レモンようかんを使用した。最下層の小豆ようかん、中央のシャンパン(ブリュット)の錦玉かん(きんぎょくかん)(和菓子の一種)、トッピングのクランベリーとレーズン、会津産の鬼クルミがわきを固める。パッケージは、福島県浪江町出身の日本画家・舛田玲香さんの描き下ろしだ。

「両端には、まだお月様や鳥の現れる前の時間のものもございます。暮れ行く空色、変わりゆく山並みがジャズメロディーのような味わいの羊羹です」

   ツイッターでは以前から度々、その美しさに

「ロマンチックな羊羹ですね」
「芸術品ですね...」

とため息が漏れており、ジャズの名曲「Fly Me to The Moon」にちなんだ名称も合わさって、

「羊羹の名前がジャズナンバー、面白いですね。買ってみたいです」

との声が上がっている。

和菓子の新たな可能性を探る

   同店は2017年10月、和菓子で新たなシーンを創造することを目的とする、伝統和菓子のリデザインシリーズ「PONTE(架け橋)シリーズ」で、同年度のグッドデザイン賞(日本デザイン振興会主催)を受賞したと発表した。実は、「Fly Me to The Moon」もこのシリーズの人気商品だ。

   グッドデザイン賞の公式サイトによると、同店が2012年4月にこのシリーズを発売した背景には、11年の東日本大震災があったという。

   福島県産のブランドが傷つき、どうすれば溝を埋められるか――。同店はそんな悩みから、素材の良さにとどまらず、伝統技術の良さを土台とした上で、和菓子の新たな可能性も探った。福島の食とかかわりの薄い、若者やインバウンド市場をあえてターゲットとしているという。

   同公式サイトでは「デザイナーの想い」として、

「原発事故によってもたらされた風評被害は、江戸時代に創業して以来会津の地に住み続けてきた私たちにとって、この上ない大きな出来事でした。この地で私たちが重ねてきた歴史は、関わりを持ったお客様の『思い出』や『ふるさと』を残していくこととイコールであった、という事に改めて気付かされました」

と、同店の職人たちの想いを紹介している。

   価格は、3500円(税込)。注文は、同店の公式サイトから。

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