ダンスは特別なことではない
ダンス経験もダンスの動画を撮影した経験も、高校生や大学生などの若年層が比較的高い割合を記録した。彼らはなぜ、そこまでダンスに熱中しているのか。全国中高生ダンス部応援マガジン「ダンスク!」やウェブメディア「DANSTREET」を運営するディーエスケイの代表・石原久佳さんは「今の子どもたちにとって、ダンスは特別なことではないんです」と答える。
「今の中高生は2000年以降に生まれた世代ですが、彼らは、生まれたときからダンスミュージックやヒップホップを聴いているし、アニメやテレビ番組でも、主人公たちがみんなで踊るシーンがエンディングになっていたり、目にするものも耳にするものもダンスとつながっています」
10~20代の実態に詳しい「電通若者研究部」(通称:ワカモン)の代表・吉田将英さんは「今の子どもたちは、ダンスで自己表現をし、それをSNSなどで積極的に発信しています」とし、
「この背景には、義務教育でダンスが必修化されたことで、ダンスで感情表現・自己表現をすることへの心理的なハードルが下げられ、さらに、SNSや動画共有メディアなどのデジタルツールの発達により、自分の感情や表現を自己発信することへの物理的なハードルが下げられたからではないか、と考えられます」
と解説した。