蔓延する「お客様至上主義の呪縛」
それでは、クレームに対し企業はどんな対応を取るべきなのか。
先述の深澤氏は、クレームは「顧客の要求、問い合わせや相談」「不満足(感情)」の2つに分けられ、まずは後者を鎮めることを推奨する。
「なるべく早い段階でお詫びを繰り返し、不満感情を払拭する。ただし、これは法的責任を認めているわけではないです」
次に、5W1Hを聞き出し、これを念頭にクレームの事実確認につとめる。
「ほとんどのクレームはまっとうな・正当なクレームなので、的確な処理をする必要があります」
悪質と判断した場合には、クレーマーの属性情報を問い、「どこのどなたか」を特定する。
「(悪質クレーマーは)感情の吐露のために、どこのだれかわからない他人になりすまして不平不満を言う(場合が多い)」「(属性情報を答えない客は)足の生えていない幽霊でお客ではないので『排除』で良い」
上記の対応でも解決しない際は、弁護士や警察への相談が有効とのことだ。
深澤氏は、接客サービスに携わる人たちの間に「お客様至上主義の呪縛」があると指摘。「お客様は神様じゃない」という意識を持ってもらいたいと訴えた。