生産者はSNS運用が不可欠!
2009年から開催されたFANアワードは、国産農林水産物への「危機意識」から誕生した。
海外では日本の食文化への関心が高いものの、日本人は日本の食材、食品、食文化の価値を充分に認識していないことがわかった。そこで農水省が旗振り役となり、日本の各地域でユニークな取り組みをしている生産者を集め、消費者に伝えていく場を作った。
消費者への「情報発信」は生産者にとって極めて重要な取り組みだが、悪戦苦闘している事業者は少なくない。
今回のFANアワードで行われたシンポジウムでも、この課題が取り上げられた。「国産の課題と未来」と題したシンポジウムには、紀ノ國屋の堤口社長、16年度のFANアワードに選ばれた「島ごころ」の奥本専務、農水省の西経子食文化・市場開拓課課長が出席した。
3人は、情報発信のポイントに「SNSの活用」をそろって提起する。西氏は
「今はSNSのおかげで情報発信がしやすい。味だけでなく、作り方や素材、ストーリーが大事な時代になってきている。こうした情報を発信し、産地の事を知ってもらうことが売れる秘けつです」
と課題解決のヒントを提案。紀ノ國屋や島ごころ、農水省食料産業局でも、TwitterやFacebook、Instagram、YouTubeなどを活用し、日ごろから情報発信に力を入れているそうだ。