アマゾン、グーグル、ソニー、LINE......。国内外の名だたる企業が続々参入し、普及の兆しを見せる「AIスピーカー」。
一方で、「OKグーグルって恥ずかしい」「家族に聞かれたくない」と、同製品の要である音声操作に抵抗感を持つ人も一定数いる様子だ。
「アレクサ、テレビのスイッチを消して」
AIスピーカーは、人工知能(AI)を搭載し、音声で機器やサービスを操作できる端末を指す。インターネットに接続してスピーカーに話しかけると、音楽やニュース、天気予報を流してくれる――というのが一般的な機能だ。
日本国内では2017年10月に、グーグルが「Google Home」(税込1万5120円)を、LINEは「Clova WAVE(クローバウェーブ)」(同1万4000円)を発売。アマゾンやソニーも年内の参入を明らかにしており、年末に向けて商戦が熱を帯びそうだ。
音声操作は、端末に「呼びかけ」をしてから指示する必要がある。グーグルホームなら「OK, Google」、クローバウェーブは「Clova」もしくは「Jessica(ジェシカ)」、Amazon Echoは「Alexa(アレクサ)」、ソニー「LF-S50G」はグーグルの音声認識技術を採用しているため「OK, Google」だ。
「ジェシカ、新着のLINEを読んで」「アレクサ、テレビのスイッチを消して」――まるでパートナーに語りかけるように指示を送るのだが、これを「恥ずかしい」と感じる人が少なくないようだ。
「日本人の文化では馴染みにくいかも」
KDDIの調査(※)によると、「自宅で周囲に人がいても家電などを音声操作したい」と答えた人はわずか25.2%だった。「周囲に人がいないなら音声操作したい」は41.6%に増えるも、結果約6割は音声操作に否定的だった。
実際、ネット上でも、その便利さは認めつつも、
「"OK Google"っていう若干意識高そうな言葉を発する心理的ハードルは意外と結構高い気が」
「音声入力は、回りに人がいるとやりにくいので、結局、あまり使わない気がします」
「音声認識系は、日本人の文化では馴染みにくいかもしれないなぁ」
などと、使いづらいという意見は少なくない。
スマートフォンの分野では、「Siri(シリ)」(iOS)、「Googleアシスタント」(Android)が、音声アシスタント機能で先行するが、定着しているとは言い難い。「羞恥心」をいかに和らげるかという視点も、AIスピーカーの普及促進には必要かもしれない。
(※)調査は2017年9月7~8日の期間、15歳~69歳の男女1000人を対象に実施。