女性に人気の画像共有SNS「インスタグラム」を利用する中高年男性が増加している。中高年とSNSをめぐっては、「フェイスブックおじさん」という言葉が象徴するように、従来はフェイスブックが中心的な居場所だと考えられていた。
だがここ最近、インスタグラムに移行する「インスタおじさん」が増加の一途をたどっている。その背景とは......?
インスタは名刺代わり
調査会社「ニールセン デジタル」(東京都港区)は2017年9月26日、国内におけるSNS利用者に関する調査を発表した。
調査では、17年8月と前年同月を比較し、インスタグラム利用者数の増加率を性別・年齢別に検証している。
その結果、最も高いのは、50代以上の女性で114%増(205万人)。次いで40代男性の64%増(172万人)だった。中高年インスタグラマーの伸びが目立つ。特に中高年「男性」は顕著で、さらに年を重ねた50代以上でも205万人(49%)増えた。
それでは、なぜ「インスタおじさん」が増加しているのか。まわりに勧められたから、知り合いがやっているから、興味本位で、何より流行っているし――。理由はいくつも考えられそうだが、その中の1つとして、オンライン上で異性と出会う「マッチングアプリ」の存在もあるかもしれない。
アプリ分析の支援を行う「フラー」(千葉県柏市)によると、50代以上男性の「マッチングアプリ」月間利用者は、13年から3年間で13.8倍と急増した。同社は、スマホの普及と熟年離婚が増加し、
「ひとり身になった熟年男性が新たな人生のパートナーを探すため、SNS連動などで身近さや信用度が増したマッチングアプリ利用が急増していると考えられます」
と分析している。
マッチングアプリでは、安心安全を担保する仕組みとして、SNS連携を義務付けている事業者が多く、中でも"雰囲気重視"のインスタグラムは重宝されている。インスタは画像投稿が中心のため、自分を知ってもらえる写真が豊富にあり、名刺代わりに利用している人がいても不思議ではない。