医療・福祉のダンテ(東京都港区)が、不妊治療や健康増進への新たなアプローチとして、男性の精液を検査するプロジェクトを世界で初めて開始した。
「痛くなくて、簡単」
ダンテの「精液を検体として確立させるプロジェクト」は、男性に精液の提供を仰ぎ10万人分の成分を分析して、生活習慣や男性年齢、妊娠力との関係を明らかにする「精液成分データベース」の構築を試みるというものだ。
順天堂大学と広島大学、ダンテが、精液成分と年齢や生活習慣との関係に関する研究を行った結果、牡蠣やレバーに多く含まれる亜鉛が、精子数や精液量と関係していたり、睡眠時間が少ないと精液のサビつきが高くなるなど、生活習慣が精液の質と密接に関わっているということが明らかになった。(この研究成果は、10月7日に東京大学で開催された「第17回日本Men'sHealth医学会」にて『精液中微量成分分析とバイオマーカーとしての有用性について』として発表)
同社によれば、精液検査では普通、精子の数や運動率などは調べるが、精液の成分は検査しない。だが同社は、精液の成分が精子のパフォーマンスのカギを握るとし、精液の成分検査を郵送で行えるサービスを開発した。
「自宅で検査が受けられる」
「痛くなくて、簡単」
「自分のコンディションがわかる」
「精液の質を向上させるための具体的な手段がわかる」
同社は精液郵送の特徴をそう説明し、2017年10月からクラウドファンディングサイト「Readyfor」で「支援」と銘打った精液検査を呼びかけている。
同社は「精液の成分を調べることは、生活習慣病の予防や疾患の早期治療にも繋がる可能性がある」としている。
ダンテは、堀江重郎(順天堂大学大学院医学研究科教授)、島田昌之(広島大学大学院生物圏科学研究科教授)、瀧本陽介(株式会社ヘルスケアシステムズ代表取締役)が、精液の成分に着目し成分分析を行うベンチャーとして2017年3月に設立。