写真・動画共有のSNS「インスタグラム」は、今や若者を中心にすっかり定着した感がある。女優やアイドルが新しいヘアスタイルやファッションを披露すれば、「素敵」「かわいい」といった多数のコメントが付く。
半面、利用者の増大とともにネガティブな書き込みや不適切な投稿が出てくるのも、SNSの「宿命」だ。インスタグラムでは世界中で、ポジティブな投稿をインスタ内で広める取り組みを行っている。
世界で8億人、日本国内では2000万人
インスタグラムのキャンペーンは、「#思いやりを言葉に」(米国では「#KindComments」がテーマだ。世界各地で、地元のアーチストがこのテーマを題材に描いた「アートウォール」が設置されている。これまでニューヨーク、ジャカルタ、ダラスで披露され、4番目の都市として東京・青山に幅約20メートル、高さ約3メートルの作品が2017年10月4日~15日の期間、公開されている。その記念のイベントが10月4日、東京都渋谷区で行われた。
出席したインスタグラム最高製品責任者のケビン・ウエイル氏は、「私たちはデジタルの世界を生きています。それでも人は、つながりを求める気持ちがあります。それがインスタのDNAであり、会社の方向性を示してくれる指針でもあります」と話す。現在、世界で8億人、日本国内では2000万人のコミュニティー(利用者)が存在する。
会場には、アートウォールの縮小版が置かれた。イベントに参加した若いインスタユーザーにウエイル氏は、こう呼びかけた。
「作品を撮影してインスタに投稿してください。その時、思いやりにあふれた言葉やポジティブなコメントを添えて、2人の友達をタグ付けしてほしい。そして、その2人に『同じようにして』と頼んでください。こうして、思いやりの輪を広げていきましょう」