37年の時を越えて生まれ変わったブラームス「ピアノ三重奏曲 第1番」 秋に聴きたい1曲

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「春」を回想しながら改作していった?

   1891年以降のブラームスは、老いを感じたせいか、曲に渋さや寂しさが感じられ、秋にピッタリの曲が多いのですが、ピアノ三重奏曲 第1番 1891年版は、円熟した技法はもちろん随所にうかがえるものの、比較的エネルギッシュかつダイナミックな曲調となっています。

   ちょうど人生の「秋」に差し掛かったブラームスが、わが生涯の「春」を回想しながら、曲を改作していった・・・「春」を廃棄するのは惜しいので、そちらも残しつつ、「秋」の自分の音楽を存分に注ぎこんでゆく・・・・そんな息の長いブラームスの創作活動が聴こえる、作品となっています。

本田聖嗣

本田聖嗣プロフィール

私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でピルミ エ・ プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソ ロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目CDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラマ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを 務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。

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