教科書でお馴染かもしれないが、運慶といえば日本の仏像史上、最も著名な天才仏師だ。その運慶の特別展が9月26日から11月26日まで東京・上野の東京国立博物館で開催される。全国各地の31体のうち22体をそろえ、「史上最大の運慶展」とうたう。芸術の秋たけなわ、足を運んでみたらどうだろう。今回は鑑賞のポイントや今なお謎の多い運慶の生涯などについて紹介したい。
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運慶はなぜ「天才」なのか、その軌跡と全貌
「カッコよくて、グッとくる。それが運慶。」イラストレーターのみうら じゅん氏は運慶の魅力をそう言い切る。『運慶 リアルを超えた天才仏師』(著・山本勉、ヤノベ ケンジ、橋本麻里、みうら じゅん、新潮社、1728円)は、平安時代から鎌倉時代に活躍した運慶の軌跡をたどり、その全貌を明らかにする。
目次をみると、「運慶はなぜ『天才』なのか 一気にわかる日本仏像史」(橋本麻里)から、第1章「始まりは弱小工房」、第2章「運慶、東国へ」、第3章「運慶と快慶の違い」、第4章「慶派のさらなる飛躍」と続く。
さらに「理想のボス運慶」(ヤノベ ケンジ)、「怖くてカッコいい運慶仏」(みうら じゅん)、「新発見!? 運慶仏はまだあらわれる」(山本勉)と3氏それぞれの興味深い題目が並ぶ。ほかに現存する31体の一覧や「仏師系図」「運慶仏みちしるべ」も収録されている。