通話、化粧、飲食、脚組み......。電車内では、暗黙的・形式的に「マナー違反」とされる行為が多々ある。なかでも「通話」は問題視されることが多く、控えるよう促す車内放送が流れたり、同様の「注意書き」が車内に貼られていたりする。
車内での「騒音」を毛嫌いする風潮は強いが、それではなぜ、車内での「会話」は許されるのか――。
声量は大差ないはず...
こんな問題提起がなされたのは2017年8月28日、読売新聞社が運営するQ&Aサイト「発言小町」でだ。
「電車内での携帯会話は、なぜダメなの?」と題されたトピックスが立ち、投稿主は、
「2名以上で電車に乗って、大声ではなく普通に会話するのはオッケーなのに、どうして携帯で周りに気遣いしながら会話すると、NGなのでしょうか?」
と率直な疑問をぶつけている。
続けて、
「他人の会話の声は、同じように耳に入りますよね?電話で会話する声が、複数人で話すより殊更に大きいか?と問われたら、そんな事もありません」
と言葉を重ね、論点を強調した。
通話NGは「ガラパゴスルール」
投稿をめぐっては、賛否両論がわき起こっている。
投稿主の主張を「支持」するユーザーからは、
「個人的には声量さえ気をつければオッケーですけどね。マナー違反だと言う風潮があって、なんとなく皆さん従っているだけだと思いますね」
「外国人の友人が多いですが、日本に遊びに来たときに『電車バス内で通話禁止』と説明するとみんな驚きます。私の知る限り、そんなガラパゴスルールは日本にしか存在していません」
といった声があがる。通話をマナー違反とする風潮は、携帯電話が普及しはじめ大声で通話する人が目立った頃の名残りだとし、現状に即していないとする向きも少なくない。
一方、納得できないとする側は、
「お気づきではないのかな?携帯電話で話す声って気が付かないうちに大きな声になっている事ありますよ」
「二人の会話だけだと自然に聞き流せますが、片方だけだと間も空くし、違和感で耳に入ってきて不快です」
などと指摘する。
なお、日本民営鉄道協会が毎年発表している「駅と電車内の迷惑行為ランキング(2016年度)」によると、論点になっている「騒々しい会話・はしゃぎまわり等」は33.8%で1位、「携帯電話・スマートフォンの着信音や通話」は7位(19.3%)だった。