運慶作品の7割が集結
運慶(生年不明~1223)は卓越した造形力で知られ、日本美術史上で突出した存在だ。世界的に見ても、ミケランジェロ(1475~1564)以前の彫刻家の中では、固有名詞で名が残る数少ない一人だろう。
とはいえ作品の数は、それほど多くはない。現在「運慶作、もしくはほぼ運慶作」とされているものは31体とするのが一般的だという 。今回の「運慶展」では、その中から22体が集まる。
奈良・興福寺の「無著菩薩立像・世親菩薩立像」、奈良・円成寺蔵の「大日如来坐像」、静岡・願成就院蔵の「毘沙門天立像」など国宝が並ぶ。運慶にゆかりの深い興福寺の作品をはじめ、各地の運慶作の像が展示される。
このほか運慶の父・康慶、実子・湛慶、康弁ら親子3代の作品を揃え、運慶の作風の樹立から次代の継承までをたどる構成だ。
門外不出のお像が多く、なかなか大規模な展覧会ができなかった。今回は興福寺中金堂が再建されたのを記念したもので、「史上最大」と銘打たれている。 2017年9月26日から11月26日まで東京国立博物館(東京・上野)で開催される。