毒っ気が気持ちいい「動物の謝肉祭」 仕掛けたパロディが大ウケ

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楽譜の出版は「生前禁止」

   サン=サーンスはもちろん、このことを自覚していたため、この曲は、彼の生前は楽譜の出版を厳に禁止する、という命令を言い置いていました。演奏も、数回内輪で演奏されたあとは、とりあげられず、彼の死後かなりたってから、やっと公開演奏されることになったのです。

   しかし皮肉なことに、このフランス流毒のあるユーモアで貫かれたおしゃれで軽快な曲は、公開演奏の後大人気となり、今ではサン=サーンスの代表曲となっています。

   また、パロディに満ちているため、生前禁止された楽譜の出版ですが、第13曲目「白鳥」だけは、オリジナル曲のため許可されていて、こちらも、現在では、チェロとピアノのデュオなどで、定番の名曲として単独で演奏されることも大変多くなっています。

   仲間内の「内輪うけ」の楽しみが、世界に文字通り「ウケた」、皮肉な経緯をたどった皮肉満載の、名曲です。

本田聖嗣

本田聖嗣プロフィール

私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でピルミ エ・ プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソ ロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目CDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラマ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを 務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。

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