日本中がKKコンビに熱狂した頃から、32年。2017年8月22日、夏の甲子園(全国高等学校野球選手権大会)の歴史に新たな1ページが刻まれた。
「清原和博超え」を果たした男に、インターネット上でこんな声が寄せられている。「甲子園は中村のためにあるのか」。
名将も「まさに怪物」と絶賛
広陵高校(広島)の3番・中村奨成捕手は準決勝第1試合の天理高校(奈良)戦で1回表、清原和博氏(PL学園)が1985年大会で記録した個人最多本塁打記録に並ぶ5本目の本塁打を放った。甲子園のスタンドに大歓声が巻き起こった。中村の勢いはその後も留まるところを知らない。先頭打者で迎えた5回表、中堅左に大会新記録の6本目を叩き込み、清原氏の記録を破ったのだ。
7回表には、2死満塁のチャンスで打席が回ってきた。左翼に走者一掃の3点2塁打を放ち、中軸としての役目を果たす。9回表にも中堅前に打ち返し、大会通算打点を歴代最多記録の17とした。「まさに怪物。それ以上のものですねえ」。野球中継(ABC朝日放送)で解説を務めていた横浜高校終身名誉監督の名将・渡辺元智氏をもうならせた。
中村が清原の記録を打ち破った――。ツイッターなどインターネット上では、この歴史的快挙に驚きの声が上がった。さらには、あの名実況がよみがえることとなる。清原氏が1985年8月21日の決勝戦(対宇部商)で本塁打を打った際、実況の植草貞夫アナウンサーが言ったセリフ「甲子園は清原のためにあるのか」だ。
「中村君、走者一掃のタイムリー二塁打!甲子園は中村奨成のためにあるのか!!」
「また広陵の中村君がホームラン打ったのか!!!!!!甲子園は中村のためにあるのかあああああ!!!!!!」
「『清原のために甲子園はあるのか』という名言があったけど、今年は中村君のためにある感じですね」
ツイッター上では試合中、大活躍の中村にこんな声が続々と寄せられた。