「一線は越えていない」という釈明で、今井絵理子参院議員と神戸市議の不倫問題が話題になったが、もう旧聞になろうとしている。次々に熱愛が暴露され、そのたびにワイドショーや週刊誌を騒がせる。これは何なのか。不倫はなぜ後を絶たないのか。今週は不倫の意味や危機管理、お金の値段などについて考えてみたい。
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学者の誰ひとり不倫を否定せず
さあ、不倫について考えよう。婚姻関係の外での恋愛やセックスは個人の倫理観や道徳観にゆだねられてきた。しかし生物として、動物として、人はどのような心、体の仕組みで不倫をするのか。
『人はなぜ不倫をするのか』(著・亀山早苗、SBクリエイティブ、864円)は、こんな問い掛けをする。第一線で活躍している8人の学者たちがそれぞれ専門に基づいて不倫を語る。登場するのは、ジェンダー研究の上野千鶴子、動物行動学の竹内久美子、宗教学の島田裕巳、行動遺伝学の山元大輔、昆虫学の丸山宗利、性科学の宋美玄、心理学の福島哲夫、脳研究の池谷裕二氏と錚々たるメンバーだ。
女性の生き方を中心に恋愛、結婚、性の問題に取り組んでいる著者の亀山早苗さんは「興味深かったのは学者が誰ひとり不倫を否定しなかったことだ」と感想を述べている。